算数発展問題32 5年
今回の5年生の発展問題のテーマは、「面積の2等分」です。
平成27年度の全国学力調査の算数B問題に出されたものをもとにして、作成しました。
さて、図3とはちがうやり方となると、4年生で学習した複合図形の面積の求め方から類推すると、図4や図5が出てくるでしょう。
図5は、長方形を付け足して、大きな長方形から小さな長方形の面積を引くという考えに基づいています。
このように考えると、この問題の答えは3通りとするのが一般的です。
しかし、おそらく誰も考えていらっしゃらないと思いますが、次のようにすることもできるのです。誰か気が付いていらしたらごめんなさい。
この図形を左のように3つに分けます。
すると、上と右に同じ面積の長方形ができます。
そして、縦6cm横10cmの長方形ができますので、1本の対角線を引けば、この図形の面積を2等分できるのです。
2本の対角線の交点を見つければ、この交点を通る1本の直線でこの図形を2等分できます。
すると、左のように、場所こそ限定されますが、無数に直線を引くことができるのです。
つまり、答えは3通りではなく、無数にあるのです。
では、図形が変わったらどうなるのでしょうか。
実は、左のような図形でも、面積を2等分する1本の直線が見付かります。
左右に間に長方形がある、同じ面積の図形(緑色の図形)を作り、対角線の交点を見付けます。
緑色の図形にかからなければ、この交点を通る直線は、全てこの図形を2等分するのです。
つまり、このことが可能な図形(マスにこだわらなければ、より多くの図形)は、全て1本の直線で面積を2等分でき、その方法は無数にあることが分かります。
このような考え方こそ数学的な考え方なのです。
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