1 はじめに 今やカードの時代になり,電車に乗るときも切符を買わずに,カードで改札を通っています。 そう言えば,切符が入れられる自動改札機が少なくなっていることに気が付きました。 さて,電車の切符に,4桁の数字が書かれています。かつては,電車の中で暇なとき,その数字を使って10を作っていました。数字を並び替え,+,-,×,÷の演算記号と( )を使って10にできたとき,「やったあ」という快感を得ることがあります。もちろん,不可能な場合もあり,運が悪い?と思うこともありました。
できる 1,2,3,5 (5-2)×3+1=10
できない 0,7,7,8
2 なかなかできない ある時,3,4,7,8という数字の組み合わせに出会いました。いつものようにやってみましたが,どうしてもできません。「これも不可能な場合かな」と一度は思いましたが,数字がばらばらであることからできそうな気がしたのです。 帰宅してからもやってみました。試行錯誤の末,何とできたのです。まさしく数の不思議です。5年生にもできる問題なので,上の問題を出しました。
5分経っても10分経っても誰もできませんでした。そこで,ヒントを少しあげました。(第1ヒントぐらいにとどめた方がよいのですが・・・) できた子に,ヒントを出してもらってもいいと思います。
第1ヒント 3から始まります。
第2ヒント +は使いません。 第3ヒント 3の次は,-です。
3 発想の転換が必要 これらのヒントがあっても,発想の転換が必要なので,すぐにはできません。「できた!」という声が上がると,みんな一斉に声の主の方に目がいきます。それでも自分で解決したいという気持ちが強く,粘り強く取り組みます。すると,だんだんできる子が増えてきました。そのうち,ほとんどの子ができました。 解答は, (3-7÷4)×8 です。 7÷4=1.75ですから,( )の中は,1.25になり,8倍すると,10になるのです。 何と言っても途中が小数になるのですから,子供たちにとって全く思いがけない展開です。その上,初めが3なので,7を引くことができないという思い込みに陥るのです。子供たちは,引き算よりも割り算の方を先に計算するという計算の決まりを全くと言っていいほど見失っていました。
4 分数で考える
となって,簡単に説明ができます。 除法は減法より優先されるというきまりと,( )の工夫と,約分すれば10になることを使った問題でした。小数のわり算を学習した5年生でもできる問題です。 ところで,昔,どなたかが考えた問題で,1,1,9,9で10を作るという問題がありました。これもコツがあって同じような考え方でできるのですが,その学習内容から6年生しかできません。
★1,1,9,9の4つの数字と,+,-,×,÷,( )のうちのどれかを使って計算し,答えを
10にするには,どうしたらよいでしょう。
***解答******** (1+1÷9)×9=10 6年生のAさんは,こんな1の使い方があったのかとびっくりしていました。