今日を含め,3日間で江戸六地蔵をめぐってきました。
江戸六地蔵の由来は,太宗寺(たいそうじ)にあった刊本「江戸六地蔵建立之略縁起」によれば,江戸深川の地蔵坊正元(じぞうぼうしょうげん)が不治の病にかかったので,地蔵菩薩に祈願したところ無事治癒したことから,京都の六地蔵を模倣して,1706年に造立の願を発し,72000人以上の人々の浄財を集めて造ったと伝えられています。
上の写真にある品川寺(ほんせんじ:品川区南品川3-5-17)の地蔵(第一番)は,一番古く,1708年に造立されたものです。高さは275cmあり,一番大きいもので旧東海道にあります。東京都指定有形文化財に指定されています。この地蔵は,かさをかぶっていません。
上の写真にある東禅寺(とうぜんじ:台東区東浅草2-12-13)の地蔵(第二番)は,1710年に造立され,高さは271cmで奥州街道にあります。他の六地蔵は鍍金が施されているのに対し,本像は表面にやすりをかけ,弁柄色(べんがらいろ)の漆を塗った上に金箔を置いたらしいです。東京都指定有形文化財に指定されています。
上の写真にある太宗寺(たいそうじ:新宿区新宿2-9-2)の地蔵(第三番)は,1712年に造立され,高さは267cmで甲州街道にあります。各像の全身及び蓮台には,勧進者,その造立年代などが陰刻されており,神田鍋町鋳物師太田駿河守正義によって鋳造されたことが分かっています。東京都指定有形文化財に指定されています。
上の写真にある真性寺(しんしょうじ:豊島区巣鴨3-21-21)の地蔵(第四番)は,1714年に造立され,高さは268cmで旧中山道にあります。東京都指定有形文化財に指定されています。巣鴨地蔵通り商店街の入口にありますが,地蔵通りの「地蔵」は,高岩寺(こうがんじ)の本尊である「とげぬき地蔵」を指しているので,江戸六地蔵とは関係がありません。
上の写真にある霊厳寺(れいがんじ:江東区白河1-3-32)の地蔵(第五番)は,1717年に造立され,高さは273cmで水戸街道にあります。他の六地蔵に比べ,手の爪が長く,宝珠を持つ左手の指のうち,4本の指が密着した形になっています。かつては鍍金が施されており,所々に金箔が残っています。東京都指定有形文化財に指定されています。
永代寺の地蔵(第六番)は,江東区富岡1-15-18(深川公園内永代寺跡碑あり)にあったそうです。今は取り壊されて残っていません。名前は永代なのに…