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執筆者の写真kazu

芝公園巡検11<戦災前の増上寺>

 

 戦災前の増上寺には、徳川家の霊廟、宝塔、墓がたくさんありました。上記の図に主なものを記してみました。この他にもたくさんありました。


 しかし、1945(昭和20)年の太平洋戦争時の空襲でそのほとんどが焼失してしまいました。かろうじてまだここに残っているのは、三解脱門、台徳院霊廟惣門、有章院霊廟二天門ぐらいです。


 上の写真の二天門は、国の重要文化財で、有章院霊廟の惣門です。銅板ぶきで、切妻造りの八脚門で、左に西方を守る広目天、右に北方を守る多聞天が祀られています。四天王のうち二天があるので二天門といいます。

 戦災で焼失した文昭院霊廟の惣門には、東方を守る持国天、南方を守る増長天が置かれており、合わせて四天王として祀られていました。


 1958(昭和33)年、西武鉄道に増上寺の境内の一部が売却されました。焼け残っていた勅額門(ちょくがくもん)、丁子門(ちょうじもん)、御成門(おなりもん)は狭山山不動寺へ移築されました。

 

 1959~1960年に、大規模な墓所の発掘が行われ、将軍の遺骨などが調査されています。その結果は、「庭を歩いてメモをとる」というブログに出ておりますので、よかったらご覧ください。

 

 1964年10月10日開催の東京オリンピックに合わせて9月1日に、増上寺の北に東京プリンスホテルができました。2016年に1年間をかけて改装工事をしてリニューアルをしています。こうしてみると、いろいろな歴史の中でこのホテルは生まれていたのですね。

芝公園巡検はこれにて終わりです。ご覧いただき、ありがとうございました。

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