2 教室環境
今回は,「宿題提出箱」についてです。
宿題は学校が出す家庭学習のことです。家庭学習は,本来,家庭主体で進める学習ですが,なぜ学校は宿題を出すのでしょうか。
「保護者が宿題を出してほしいというから。」「授業が予定通り進まなかったから。」「学校で決められているから。」などと理由はありますが,これらの理由はあまり好ましくないと考えます。
保護者が家庭学習をさせたいということであれば,その家庭で進めていただくのが本来の姿です。また,授業が予定通り進まなかった場合に出す宿題は,教師の責任とも言えます。まして学校で決められているから宿題を出すのでは,モチベーションが下がります。やはり,宿題を出す目的をはっきりさせたいものです。
その目的は,「家庭での学習習慣を身に付けさせる。」ことではないでしょうか。こう考えると,おのずと教師の業務が決まってきます。宿題のマル付けや点検に時間をかけると,本来の業務である授業の展開を圧迫してしまいます。例えば,漢字50題を宿題にしたとします。これをマル付けすると,30人の学級では,1500個のマル付けが必要になります。1枚に付き1分としても30分です。このような点検を毎日児童が帰るまでにやるというのは,教師が疲弊する原因となっています。
そこで,宿題を出す目的を児童,保護者,学年の教師で共有し,宿題は児童自身がマル付けをするというスタンスをとったらどうかと思うのです。自分で評価し,直していくことは主体的な学習になっています。したがって,プリントなら裏に答えを印刷したり別に答えを配ったりします。中には,
答えを丸写しする児童も出てきます。十分に児童が目的を理解するようにしていくことが大切です。
すると,宿題提出箱は二通りになります。毎日,例えば,音読と漢字と計算を宿題にするのならそれぞれの箱がいります。一方,宿題を1つにするのなら,生活班の数だけブックボックスを用意して入れるようにすると,誰が出したか出さないかがすぐ分かります。
以前は,時間を決めて自分で学習を計画しチェックカードに記入し,自由学習ノートだけ提出する宿題を出したこともありましたが,コメントを書くなどの業務が発生し,時間がかかるのでお勧めできません。