「春夏秋冬」と黒板に書きました。
「何て読みますか?」
「しゅんかしゅうとう」
「そうですね。素早く読めました。音読みで読めましたね。他の読み方はありますか?」
「はるなつあきふゆ」
「いいですね。何読み?」
「訓読みです。」
ところで、「春、夏、秋、冬のうち、1番初めの季節は何でしょう?」
と、4年生の子供たちに聞いてみました。
ほとんど一斉に「春!」と答えました。そんなの当たり前だという顔をしています。新学期と言えば、春だよと。
ところが、一人だけ「冬です。」と答えた子がいました。わけを聞いてみると、
「1年は1月から始まるから。1月は冬だから。」
との答え。先ほど「春」と答えた子も、あっそうか、なるほどという顔になりました。
「冬の場合もあるんだね。他の場合はないのかな?」
と聞くと、ある子がこう答えました。
「秋だって、1番初めになるよ。あいうえお順で、一番初めです。」
私が黒板に書いてやりました。
はる
なつ
あき
ふゆ
「ほんとだあ。」「たしかに。」
と子供たちは納得顔。
「じゃあ、夏が1番初めになることもあるの?」
今度は子供の方からこう聞かれました。
しゅん、か、しゅう、とう
「音読みなら、夏は1番初めだよ。」
「ああ、音読みで、あいうえお順かあ。」
「だったら、画数順にすれば、冬が1番だよ。」
春9画、夏10画、秋9画、冬5画
どうやら漢字辞典を思い描いているようです。
さっきは、1年の始まりが1月で冬だからとしか思っていなかった子は、別の見方があることに気が付きました。こうしてみると、いろいろな見方があるものです。
多くの植物は、秋に種子を土に落として、冬を越し、春に芽を出します。このことから秋が初めとも考えられます。
また、世界では、秋入学という学校システムの国がたくさんあります。
つまり、物事は多面的に見ていくことが大切であると考えられます。常識にとらわれすぎて、本質を見失うことのないように心がけることが必要であることを改めて感じました。子供に対しても同じように多面的に見ていかなければならないと痛感しました。
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