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瀬戸内しまなみ海道は、広島県尾道市と愛媛県今治市をつなぐ道です。本州と四国を島と橋で結んでいます。この海道は、自動車専用道路の他、自転車歩行者道が併設されています。島から島へ歩いて渡れることが島の方々の夢だったそうです。それが、75kmのサイクリングコース(上の地図の黄色の部分)になったのですから、先見の明があったと言えましょう。現在の交通量から考えれば、4車線の自動車専用道路でなく、2車線と自転車歩行者道というのがベストであったわけです。
前々から行ってみたいと思っていましたが、今回、2泊3日で完走することができました。電動自転車でしたけど。
尾道から向島までは、自転車専用道路がないので、船に自転車を積んで渡りました。そこから1日目30kmのサイクリングが始まります。
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上の橋は、因島(いんのしま)大橋です。この橋は、吊り橋で二重構造になっており、上が自動車専用道路、下が自転車歩行者道です。1270mあります。1番目に渡る大橋なので、緊張しましたが、渡る前に見た橋とずいぶんと印象が異なりました。上に自動車が通っているため騒音や振動があり、網の壁の間のトンネルをくぐっていくようでした。網の目ごしに見える海は58mも下にあるので、さすがに高いところを走っているのだと実感しました。
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上の橋は、生口(いくち)橋です。この橋は、斜張橋で、790mあります。海面から35mのところを、体いっぱいに潮風を受けて、青く穏やかな海を眼下にして軽快に走り、気持ちがとてもよかったです。1日目は、生口島で終了です。
2日目の45kmは、生口島と大三島(おおみしま)を結ぶ多々羅大橋からスタートです。曇り空で、いつ雨が降ってくるかもしれないという天気でした。
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多々羅大橋は、生口橋と同じ斜張橋で、1480mあります。完成した1999年から9年間、世界最長の斜張橋でした。海面からの高さは、48mあります。
そばに、レモンのオブジェがあるのは、日本一の生産量を誇っているのが生口島だからです。
この橋の主塔の下では、拍子木を打つと音が響き渡ります。ちょうど日光東照宮の鳴き龍と同じでした。音が漏れずに反射するのは、正確に造られている証拠だそうです。造った当時は、分からなかったのですが、後に音が響くことが分かって、人気のスポットになったそうです。
それにしても尻が痛くなります。サイクリング特有ですね。
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多々羅道の駅です。ここはサイクリストの聖地となっています。石のオブジェは、上の石がサドルを、下の石の穴が車輪をイメージしているのだそうです。
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大三島橋(おおみしまばし)です。このあたりになると、橋が珍しくなくなり、どうでもよくなってきます。しまなみ海道唯一のアーチ橋ということで、少し目の色が変わったくらいです。
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伯方島と大島を結ぶ橋です。橋よりも伯方(はかた)の名前の方に目が向きました。「伯方の塩」の産地が、ここであることを初めて知りました。
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ここまで来ると、あとは最長の橋が待つばかりです。尻が痛くてどうでもよくなってきた思いも、あと1つしかないと思うと切なささえ感じられます。
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ああ、あれは何だあ。長すぎる。しまなみ海道の大まとめです。来島(くるしま)海峡大橋は、4045m。海面からの高さ78m。最後にふさわしい橋でした。
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最後には、こんなところも。素敵でした。
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2日お世話になった自転車とお別れです。
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