5 小部屋に分ける
教材文にある言葉を使って,小部屋に分け,その名前をつけることが大切であると考えました。
ところが,小部屋の数が多くて,子供たちはなかなか分けられません。
小部屋にはきょうだい部屋があります。中部屋のつなぎ段落である㉖段落に,「木材と,紙と,火と-。」と書かれていたことに着目させました。
すると,子供たちは、問いかけに対しての答えが木の種類で表されていることに気が付きました。また,子供たちは、いいたいことを先に述べてから,例や証拠を述べるようにしていることも分かりました。
同じように,叙述に即して,小部屋の名前をつけていきました。
6 要旨を表す文を探す
「要旨」とは,「筆者が述べたいことの中心」です。これは,結論に必ずあります。どの文がそれを指すか,探せばよいわけです。
この説明文には,結論の部分に,問いかけがあります。「では,その森林はだれのおくりものでしょう。」です。その答えが,「それこそは,大昔から先祖たちが植えついで,現代のわたしたちにおくってくれたかけがえのない遺産なのです。」です。これが要旨と考えます。
筆者は,「わたしたちは,緑豊かな国土に生まれたことの幸せに感謝しなければなりません。」「そして,森林を育てる仕事のすばらしさ,とうとさを考えなければならないのです。」と結んでいます。これは,筆者が訴えたいことです。
「要旨となる一文を探そう」と発問すると,子供たちは,筆者が訴えたいことに着目し,「『そして』とあるから,二文じゃないのかなあ。」と言います。
8グループのうち,7グループが終わりの二文のどちらかを選びました。
1グループだけが,「それこそは,大昔から先祖たちが植えついで,現代のわたしたちにおくってくれたかけがえのない遺産なのです。」を選びました。
これも筆者の意見です。そして,何よりも説明文の題名「森林のおくりもの」に直結する文だと思うのです。
7 筆者の工夫にせまる
このようにして読み取ったあと,最後に筆者の工夫にせまります。
筆者は,なぜ「森林のおくりもの」という題にしたのか。筆者は,なぜ「木のくらし」のことから述べているのかなど,どのように表現されているかを考えることが必要です。そのよいところについて考えることこそ大切なところです。
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