教員の働き方改善・改革案22
なかなか改革ができないのは
教員の業務を減らさなくてはいけないことは分かっています。
改革案のいくつかは「もっともだ。」と思われているのではないでしょうか。
でも、なかなか改革ができません。それをするためのエネルギーがいるのです。それを提案するくらいなら、今のままでいいやと思ってしまうのです。
誰かがやらなければ、変わりません。できることから始めてみませんか。
今回の特集は、「個人面談のすっぽかしへの対応」です。
小学校の個人面談の目的は、一人一人の児童の学習や生活について,保護者と話し合うことで,学校と家庭が共に児童を理解し,共に児童をよりよく育てることです。
1 個人面談を実施するまでの業務
まず、学校として手紙を出します。実施の概要を保護者に伝えます。学校便りや学年便り等でも連絡するかと思います。
次に、担任として手紙を出して日時の希望をとります。これは、担任の都合によって、実施日、実施時間が異なるからです。担任は、出張や私用により、学校に不在となるケースがあるからです。最近は、これらの業務をPCを通して行うことができるようになった学校もあると聞きます。
この希望用紙が締め切りを過ぎてもなかなか集まりません。私は、締め切り日の次の日には、予定表を作ってしまいます。その上で、出していない家庭に連絡をとり、空いているところに入れてもらうことにしています。
次に、集まった希望を表にまとめた予定表を配布します。
さらに、資料を揃えて個人面談の実施に備えます。
2 個人面談をすっぽかす保護者によって増える教員の業務
担任がこのような準備や連絡をしているのにかかわらず、個人面談をすっぽかす保護者がいます。開始時刻になって保護者が来なくても、担任は電話をすることができません。教室には、電話がないのです。また、私用のスマホで保護者と連絡をすることは禁じられています。大抵の担任は、その日の個人面談の日程が終わったら、その保護者に職員室で電話をするのではないでしょうか。そして、その理由を聞くのではないでしょうか。怒りを抑えて。冷静に。
こうして、個人面談をすっぽかす保護者のために、教員の業務は増えていくのです。
3 教員の働き方改革の上における、すっぽかす保護者への対応
すっぽかした理由を聞いて納得がいくと、教員も人ですから怒りは冷めます。「それは大変でしたね。」と相手を気遣うことも必要でしょう。
また、正直に「うっかり忘れてしまいました。」という場合もあるでしょう。「誰でもそのようなことはあります。」と寄り添うことも必要でしょう。
しかし、「では、都合のよい日時はいつですか。」と直ちに次の日程を決めるのは早計です。相手のミスで、業務が増えてしまうのではたまったものではありません。
そこで、「では、少々短いですが、このお電話でよろしいでしょうか。」と言います。この一言を聞いて、「別の日に個人面談を設定してください。」という保護者はいません。連絡なしのキャンセルの意味が分かっているからです。
個人面談をすっぽかした保護者へは、このような電話対応で済ます(2,3分)ことも考えてほしいです。このような場合でも児童のよい点を伝えるのを忘れないようにします。
資料については、後日、児童を通して保護者に渡すことも考えられます。
4 遅刻する保護者への対応
たまに予定時刻に遅刻する保護者がいます。甘い判断で、その方の時間を正規と同じようにとると、その次の方の開始時刻が変わる場合があります。こうなってしまったら、遅刻した人が悪いのではなく、担任がその遅刻を許したばかりに、次の方が不利益になったことになります。つまり、担任が悪くなってしまうのです。時間をしっかり守る人には優しく、守らない人には、相応の対応をしてほしいです。
したがって、保護者が遅刻した場合でも、担任は終了時刻を守るようにするべきです。そのためにもタイマーが欠かせません。
過去には、残り2分くらいでいらしたケースもありました。一番最後まで待ってもらいましたが、結局教員の負担で終わりました。頭が痛かったです。
また、教室の内線が鳴り、「○○さんから個人面談に遅刻するという連絡が入りました。」という連絡が入る場合がありました。めまいがしそうでしたが、様子を聞き、善処しました。
教員の働き方の改革というテーマなので、教員目線で書きました。保護者の中には、学校から言われたから個人面談に行ってやるんだという考えの方もいるかもしれません。
たとえそうだとしても、社会のルールは守ってもらわないと困ります。
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