教員の働き方改善・改革案20
なかなか改革ができないのは
教員の業務を減らさなくてはいけないことは分かっています。
改革案のいくつかは「もっともだ。」と思われているのではないでしょうか。
でも、なかなか改革ができません。それをするためのエネルギーがいるのです。それを提案するくらいなら、今のままでいいやと思ってしまうのです。
誰かがやらなければ、変わりません。できることから始めてみませんか。
今回の特集は、「冬休みの置き勉は、教員の働き方改革になるのか」です。まだ暑いうちから冬の話をします。
1 文部科学省では
文部科学省では、「携行品への配慮に関する事務連絡」(平成30年)の通知を出しています。その通知には、「児童生徒の携行品に係る工夫例」が具体的に挙げられ、大変参考になります。
しかし、冬季休業中のことは載っていません。教員の業務を増やさず、児童にも保護者にも寄り添った方法はないのでしょうか。
2 冬季休業中に、置き勉はどうなるか。
冬季休業日が近付くと、計画的に荷物を持ち帰らせようと努力されているのではないでしょうか。1年が終わるのだから、きれいにしなければと、誰もが思うことです。
しかし、冬季休業日は夏季休業日とは違って短いです。(寒い地方は除きます)2週間ほどで、学校が始まり、児童はまたたくさんの荷物を持って行かなければならないのです。防災頭巾や道具箱を本当に持って帰らなければいけないのでしょうか。
このように問うと、当たり前のことも違ってみえるものです。試しにどうなるか考えてみましょう。
例として、○は置き勉をさせるもの、△は置き勉をするかどうかを児童が決めるものです。もちろん、冬季休業中の宿題に必要なものは、持って帰らなければなりません。
教科名 | 教科書 | ノート | 副読本・教材 | 冬季休業中 |
国語 | △ | △ | ×漢字ドリル | △ |
書写 | ○ | ○半紙ばさみ | ×毛筆書写用具 | ○書写 |
社会 | △ | △ | ○地図・資料集 | △ |
算数 | △ | △ | ×算数ドリル | △ |
理科 | △ | △ | - | △ |
音楽 | ○ | ○ | △リコーダー | ○ |
図画工作 | ○ | - | △絵の具 | ○ |
家庭 | ○ | ○ | △裁縫用具 | ○ |
体育 | ○保健 | ○ | ×体育着 | ○保健 |
道徳 | ○ | ○ | - | ○ |
外国語 | △ | △ | - | △ |
その他 | ×学習用PC |
| ○東京都や区から配布される副読本 | △ |
こうしてみると、かなりの物が学校で管理できることになります。問題は、置き勉をすることが果たして教員の働き方改革になるかということです。
3 冬季休業中に置き勉をさせると、教員の働き方改革になるか
たとえ児童や保護者にはためになっても、教員の負担が増えるようなことはやめましょう。児童にも保護者にも教員にもよいことをやりましょう。いつもそう考えて業務を行うことが大切です。
その上で冬季休業中の置き勉について考えると、わざわざ家へ持って帰らせないのですから、教員の負担がないのではないでしょうか。むしろ1年の初めの登校日にたくさんの物を持ってくるように指示しなくてすむので、よいと思うのです。12月の終わりにたくさんの荷物をフーフー言いながら持ち帰る児童の姿もなくなります。ご検討ください。
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