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  • 執筆者の写真kazu

教室の掲示物を見直しましょう

教員の働き方改善・改革案16

今こそ行動を起こすとき

 「お客様は神様です。」という言葉があります。

 教員にとっては、お客様は差し詰め「児童」なのかもしれません。

 しかし、教員がいなければ神様も困るでしょう。教員が健康で、心豊かな生活を送ることができてこそ児童も生きるのです。

 今こそ行動を起こすときです。業務を減らすために。

 

 今回の特集は、「教室の掲示物を見直しましょう。」です。

 廊下掲示については、すでに申し上げた通りです。(教員の働き方改善・改革案3)

 今回は、教室の掲示についてです。教員の働き方改革の視点で見直してみましょう。

 掲示物にかかる時間は、①掲示物の企画・構成 ②掲示物の作成 ③掲示物の貼り付け  ④張り替え ⑤後始末といった時間になるかと思います。


1 掲示物の企画・構成を見直しましょう。


(1) 便りの掲示


 私もよくやってしまったものですが、学校だよりや学年だより、保健だより、給食だよりなどさまざまな便りを教室に掲示していませんか? これらは、児童を通して家庭に配布される印刷物です。

 張り替えこそしていないと思いますが、色画用紙等を台紙にして上に付け足して貼っているのではないかなと思います。今改めて考えると、毎月のようにこれをやっているのですね。たとえ、児童が係になってやるにしても、それを指導する時間が必要です。本当にわずかな時間ですが、積もり積もれば大きくなります。

 やめませんか、便りの掲示。


(2) 児童の個人目標


 私もよくやってしまったものですが、児童の個人目標を教室に掲示していませんか? 学期ごとに書き換えています。月ごとにシールを貼るなどをして、振り返りもさせています。

 その際、児童の写真を貼ることが多いかと思います。担任は、丁寧に少しでも直近の姿をと、写真を撮っているのではないでしょうか。

 これらの写真を撮るのに、担任は気を遣います。児童の一面を表すので、背景や明るさはどうか、にこやかな自然な姿になるようにするためにはどうしたらよいかなどを考えるのです。大きさや紙、印刷や配布、貼り方にも配慮します。

 それだけに時間がかかるのですから、1年に1回で十分です。または、写真ではなく、児童自身が描く似顔絵にしましょう。

 やめませんか、学期ごとの児童の写真。


(3) 月ごとの目標


 学校には、月ごとの目標があります。1つではないです。生活目標、給食目標、保健目標など、目標だらけです。毎月、これを張り替えているのです。特に、生活・給食・保健の目標は、多くの学校で、教室に掲示していることと思います。

 8月を抜いて、それぞれ11枚あります。合計33枚が使われるのです。作るのも貼るのも時間がかかりますし、たくさんの紙が必要です。

 あるとき、赴任した学校で3つの目標を私が1枚にまとめました。毎月1枚にしたのです。当時はあまりワープロが発達していないので、手書きで作成しました。みんなが賛成してくれて実現し、みんなに喜ばれました。15年くらいたって、その学校へ行ったとき、びっくりしました。まだ自分の書いた目標の用紙が使われていたのです。手書きの字だったので、よく分かりました。実に嬉しいことでした。

 やってみませんか、3つの目標を1枚の掲示に。

 上記のことができない場合は、せめて、給食や保健の目標掲示の活動を、5,6年生の給食や保健委員が行うようにすると、担任が助かります。委員の児童が担当する教室へ出向いて掲示をするのです。これは、児童の奉仕活動になります。


(4) 生活の週目標


 生活目標は、丁寧にも月目標だけでなく、週目標があります。例えば、月目標が「安全な生活をしよう」だとしたら、週目標が「廊下は右側を歩こう」とか「ルールを守って遊ぼう」になります。毎週看護当番(週番)が集まって協議し、次の目標を決め、印刷してクラスに配布し、掲示します。毎週変わると言っても、あらかじめ年間計画がありますから、およそ決まっています。実に面倒な手順を踏んでいると思いませんか?

 それよりも、月の生活目標に小さな字で、週目標に当たるものを書けば、協議も印刷も配布も掲示も必要がなくなります。毎週看護当番の教員が週目標を説明すればよいのです。

 やめませんか、週目標についての協議、印刷、配布、掲示。

 

2 掲示物の作成を見直しましょう。


(1) コメント


 教員のコメントが、児童の作品にびっしりと書いてあるのを見かけます。昔は、それを見ただけで、教員の熱意を感じたものです。しかし、今は、それだけを見ただけでは、必ずしもよいとは言えません。勤務時間内で書けたかどうかが問われます。勤務時間を過ぎてから、教室で黙々とコメント書きをしているようでは、オーバーワークとなるでしょう。

本当は、コメントを書いてあげるだけの時間がほしいのですが、絶対に必要な採点等の時間の残りとなると、ほとんどないのではないでしょうか。

 やめませんか、勤務時間外に無理して書く教師のコメント。


 時間がないときは、口頭で褒めまくります。また、スタンプやシールを活用しましょう。


(2) 必要な分だけ


 私もよくやってしまったものですが、毛筆書写の練習も掲示していませんか? 毛筆書写は、年間30時間以上行うことになっており、時には、同じ字を2回に分けて学習することがあります。練習と清書でどう変わったかを見るためや、真剣さを醸し出すために、練習でも1枚提出させて掲示することがあります。

 やめませんか、練習の作品の掲示。(これは、既にやっていないかも。)


3 掲示物の貼り付けを見直しましょう。


 毛筆書写などの児童の作品を貼り付けるのは、誰でしょうか? もし児童ができるようなら、自分の作品を貼ったり、クリアファイルに入れたりするのは、児童に任せましょう。そのためには、児童が貼れる環境を整えてやることが大切です。児童が貼りやすい位置、クリアファイルに入れやすい位置というのはおのずと決まってくると思うのです。

 やってみませんか、児童が自分でする掲示。


4 張り替えを見直しましょう。


 教室には、各教室共通の同じ掲示がありませんか? 学校の教育目標などは張り替えをしませんが、ただ新しくしたいだけのことで毎年張り替えている掲示があります。この場合は、パウチをするなどして、5年くらい変えないようにしたいです。各教室で貼る位置を決めておけば、張り替えもしなくてすみます。

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