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執筆者の写真kazu

文書の精選を図る

更新日:2022年8月5日

  教員の働き方改善・改革案1

改善と改革の違い


 「改善」は、「現状を肯定しつつ悪いところをよくすること」です。方法を変えることで実現します。

 それに対して、「改革」は、「現状を否定し、新しくしていくこと」です。制度や仕組みを変えることで実現します。

 私は、小学校教員の働き方を変えていくには、2つの面から考えていく必要があると思います。


 今回の特集は、「文書の精選を図る」です。

 学校は、学校だより、学年だより、保健だより、給食だよりなど、たくさんの文書を発行しています。1か月に1回発行しなければいけないと教員が思い込んでいる場合もあります。便りの内容が重複している内容もあります。また、長期休業前にも発行しなければいけないものと勘違いしていることもあるのではないでしょうか。さらには、保護者との確認文書もたくさんあります。

 そこで、私は、次の3点について提案したいと思います。


1 本当に必要なものだけを伝える。


 学校だよりは、月に1回発行する必要があります。「校長より」「行事予定」は、なくてはならないものでしょう。しかし、裏面については、どうでしょうか。児童の言葉が載っている場合があります。児童の言葉は、リアルで訴えるものが強いので、とてもよいと一見は思えます。しかし、頼まれた教員は児童に言葉を書かせなくてはなりません。たくさんの児童に書かせてから選ぶこともあります。過去に選ばれた児童を除いたり、男女や組などを配慮したりして決められた字数にして提出しなければならないのです。もちろん、一言一言をチェックして人権にも配慮します。学校だよりは、管理職が作るのではなく、担当教員が割り付けをして、締め切りまでに原稿を集めて、全体を整えなくてはなりません。その上、最終的に管理職に見せて訂正して許可を取り、自分で印刷してクラスのポストに入れなければならないのです。

 学校だよりで、教員の働き方改革を考えるなら、まず、「児童の言葉を入れない」です。

そして、「裏面は必要なければ、なしにする」です。裏面に今度は何を入れようかではなく、必要だから裏面に載せたという発想にしなければ働き方改革にならないと思うのです。「裏面に必ず載せたいことがあるけど、少しなのでスペースが空いてしまって…」こんなとき、他に載せることがないかと考えるのではなく、かわいいカットを貼ればよいのです。

 保健だよりや給食だよりにも同じことが言えます。裏がもったいないから、何か記事を載せなくてはという発想では仕事は減りません。時には、保健だよりと給食だよりを表裏にしてもよいと思います。毎月必要なのかも考えるべきでしょう。あればよいではなく、絶対必要かどうかを考えることです。

 

2 重複を避ける。


 学校だよりに行事予定表があるのに、学年だよりにも行事予定表がよく載っています。確認するから必要という理由です。これこそ仕事を増やしている要因の1つではないでしょうか。

 また、夏休み特集号という学年だよりが発行されることがあります。7月の学年だよりに入れたり、夏休み前の保護者会の資料に入れたりすることで、発行しないようにしたいものです。私は、発想を全く変えて、夏休みのことを9月号の学年だよりに入れて、7月のうちに発行したことがあります。先の見通しを考えることができて、大変よかったです。


3 水泳の確認文書を出さない。


 (1) 水泳の授業への参加申込み


 「マット運動の授業に参加申込みをしないのに、 なぜ水泳の授業だけ申込みがあるのですか。」と聞くと、「水泳は、命にかかわるからです。」との答え。 では、マット運動はそういうことはないのかなあと思いました。申込書自体の価値を問いながら、担任は、必死に集めます。何のために健康診断をしているのでしょう。水泳の授業への参加申し込みなど必要ありません。


(2) 夏季水泳教室への参加申込み


 「水泳の授業の参加申込みをしたのに、なぜまた夏季水泳教室の申込みがあるのですか。」と聞くと、「夏季水泳教室は、教育課程外だからです。」との 答え。だったら以前のように、社会教育にすればと いいのになあと思いました。それに教育課程外なら 自由参加です。参加しないと言われてもよいはずですが、教員は真面目ですからこう言います。「一応 『参加する』にして出してください。そうすれば急に参加したくなっても大丈夫です。」変だなと思いなが らも担任は、必死に全員分を集めます。夏季水泳教室への参加申込みなど必要ありません。

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