教員の働き方改善・改革案3
改善と改革の違い
「改善」は、「現状を肯定しつつ悪いところをよくすること」です。方法を変えることで実現します。
それに対して、「改革」は、「現状を否定し、新しくしていくこと」です。制度や仕組みを変えることで実現します。
私は、小学校教員の働き方を変えていくには、2つの面から考えていく必要があると思います。
今回の特集は、「短時間で作成し、効果を挙げる掲示」です。
学校では、掲示物が学びの発表の場になっています。また、掲示物を通して児童が学びを深めることもあります。
しかし、行事ごとや月ごとに掲示物を張り替えていたのでは、多くの時間を費やしてしまいます。例えば、教育委員会からは、「児童の作品は1枚ごとに四隅に画鋲を貼ってください。」という指導が入ります。すると、1枚貼るのに、30秒ほどかかり、30枚では15分かかります。貼る位置を決めたり、題名を付けたりするので、さらに時間が加わります。教員は児童の作品作りのために力を入れるべきであり、このような掲示をする作業に時間をかけるものではないと思います。
そこで、私は、次の3点について提案したいと思います。
1 廊下掲示は年間を通して1つのテーマにする。
学校は、校内研究をしていると思います。また、校長が力を入れていることもあります。
まずは、それらの中から学年で、できれば学校で、統一してテーマを決めます。
年度当初、廊下の掲示板に個人の掲示場所を決めます。色画用紙に名前を付けて貼ります。順番は出席番号順でよいと思いますが、背の高い人を上にするという考えもあります。予算が許せば、B4のクリアファイルにすると、さらに手間がかかりません。
児童の作品はこの色画用紙を台紙にして、のりで重ねて貼っていきます。作品の積み重ねがポートフォリオになります。
2 作品は児童が貼る。
教員の作業は、年度当初の1回だけです。あとは、児童が自分で掲示します。「届かなかったらいすを持って行きましょう。」「背の高い人は、ボランティアをしてあげて。」などと声をかけて児童同士の協力も促します。
3 評価は口頭で褒めまくり、必ず花丸。言葉は入れない。
作品を作るに当たっては、教員はまず内容の充実を図ります。そして、誤字脱字等がないように指導をします。完成したら、褒めまくります。これが評価です。その上で、必ず花丸をかいてチェックした証拠にします。シールやスタンプでもよいと思います。言葉は入れません。時間がかかるからです。時間がかかるからとためらうことで仕事が押せ押せになり、完成した作品が山に埋もれてしまうより、できるだけ早く掲示した方が児童のためになります。
ただし、学年でそろえることが大切です。一方で言葉を入れ、もう一方では言葉を入れないというのは信用にかかわります。学年でそろえて、言葉を入れません。
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