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  • 執筆者の写真kazu

職員朝会から職員夕会へ

更新日:2022年8月17日

教員の働き方改善・改革案7

不易と流行

 教育はこれまでに何度となく変わってきました。例えば、詰め込み教育からゆとり教育、そして、学力低下によるゆとり教育の見直しなどです。それらの流行のたびに教員は翻弄されてきました。

 しかし、児童のために働き、感謝され、成長をともに喜び合うことで生きがいを感じていくという教員の思いは、不易なものです。

 教員の働き方改革は、そんな不易をたくさん生み出すための方策だと考えます。

 

 今回の特集は、「職員朝会から職員夕会へ」です。

職員朝会は、一般的に、毎朝10分ほどの間に行われます。小学校で職員朝会を行うには、次の2点が問題だと考えます。

 

1 職員朝会の問題点


(1) 児童を待たせる。


 一番のデメリットは、児童を待たせることです。児童が教室にいるのに、教員は全員が職員室にいなければなりません。児童は自習をするのですが、担任は一刻も早く教室へ行きたいのです。児童全員が参加する全校朝会や集会がある場合は、さらに、それを担当する教員が職員室にいません。児童はその場所に移動しなければなりませんが、担任がいません。事前に自分たちだけで整列して移動するようにしておくのです。あまりにあわただしいため、集会がある場合は、職員朝会をしない学校もあります。


(2) 無駄が多い。


 揃って挨拶し、校長の話、その日の予定、提案、副校長の話という繰り返しがかなりの時間のロスにつながっています。児童を教室に待たせて、せっかく職員室に集まったのに、挨拶だけだったということもありました。職員会議で決まったことの確認だったり、緊急だと言って、短時間では到底理解できない提案がされたりするのも困ります。また、生活指導朝会は長引くことが多く、1校時に食い込むことさえありました。

 このような問題点の対策として、職員夕会を提案してくださった教員がいました。実際、経験してみると、大変よかったです。その経験を踏まえ、教員の働き方改革の観点で、次の4点を提案したいです。


2 職員夕会へ

 

 私は、実際に職員夕会を経験しました。結論として、大変よかったです。その経験を踏まえ、教員の働き方改革の観点で、次の4点を提案したいです。


1 職員朝会を廃止し、職員夕会を設定する。


 教員の勤務時間は、労働基準法に基づく7時間45分で、休憩が45分あるため、学校ごとに例えばごらんのように決められています。


 8:15~15:45勤務

15:45~16:30休憩

16:30~16:45勤務


 したがって、勤務時間の終わりの15分に職員夕会をすることが可能になります。職員夕会を設定すれば、教員は児童と朝からずっと関われます。このことは、教員にとっても児童にとっても、一番安心なことです。


2 校務支援システム等を活用して、無駄を省く。


 今までの打ち合わせを単に夕方にやるという発想では、無駄を省くことができないでしょう。そこで、提案・連絡は、口頭で行うことを避け、PCを活用することです。校務支援システム等などの中から、学校で1つだけを選択し、それを使って情報を共有することが大事だと考えます。


3 職員夕会は、情報共有の場として機能させる。 

 

 PCを活用することで、情報が共有されることにはなりますが、情報を見なければその機能を発揮したことになりません。「情報を見ないのは先生の責任」と言う人もいますが、私は、「その情報を見る時間を設定しないのは学校の責任」と考えます。ですから、職員夕会は、緊急のこと以外、口頭では行いません。開始時刻になったら、職員室に集まり、PCにある情報を見る時間になります。質問があれば、その場にいる提案者に聞くことにしたらいかがでしょうか

 

4 職員のために、チャイムを鳴らす。


 学校のチャイムは、普通、児童のために鳴らします。しかし、大切な児童を支える教員のためにも音楽やチャイムを鳴らしたらいかがでしょうか。例えば、15:45と16:30と16:45に教員用のチャイムを鳴らします。最近のチャイムは、音色を変えられるので教員用と児童用を区別することもできます。休憩時間は勤務を要しない時間です。労働から解放される時間です。16:45には、勤務時間終了ということを強く意識することにつながるのではないでしょうか。

 

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